乳頭が乳輪の中に埋もれてしまった状態のことを
「陥没乳頭」といいます。
女性の10人に1人が陥没乳頭と言われており
授乳するまで無症状なことが多いとされています。
また先天性の半分が遺伝によるものとも言われております。
女性だけではなく、男性にもある症状と言われております。
普段、乳頭の状態を人と比べることはなかなかない為、
気付きにくいものでもあります。
カウンセリングにご来院される方の中で
未成年の患者様も多く見受けられます。
未成年の方は親御様のご同伴が必要ですが、
ご来院された理由をお伺いすると親御様から
「幼少期からあれ?とは思っていて様子をみていたが
やはり陥没乳頭だと思う。
今後、妊娠や出産といったライフステージがあるかもしれないので
その前に治療してあげたい」とのことでした。
ご本人様も陥没乳頭であることは理解されておりました。
なかなか人には相談しづらいことでもあるので成人してから
ご相談に来る方ももちろんいらっしゃいます。
温泉などに行った際に人と自分の乳頭は違うと思い、
調べたら陥没乳頭だった。
とおっしゃっている方もいらっしゃいました。
状態や治療について
【軽度】
指での刺激で容易に出る
しばらくすると引っ込んでしまう
【中等度】
強い刺激で出る
離すとすぐに引っ込んでしまう
【重度】
強い刺激を与えても全く出ない
ご相談に来られる方で多いのが中等度、重度の方です。
〈陥没乳頭のデメリット〉
授乳ができない・・・
乳腺で母乳が作られても乳管を伝って外に出すことができなくなり
胸が張ってしまうこともある。
乳腺炎を起こしやすい・・・
引っ込んでいる部分に汚れが溜まり雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態になります。
放っておくと痛みや発熱を伴い、
日常生活にまで支障をきたすこともある。
〈陥没乳頭の治療方法〉
陥没した乳頭の両サイドに2箇所約2㎜切開し
乳頭を突出させていきます。
治療後はガーゼ固定を行っていきます。
※固定方法はクリニックにより異なり、
プロテクターでの固定をすることもあります。
治療中は麻酔も使用する為、
お痛みなく治療を受けて頂けます。
〈ダウンタイム〉
腫れ、内出血は2週間程度続きますがお洋服を着ておりますので
気付かれる心配はなくお過ごしいただけます。
激しい作業でなければ翌日からお仕事に行かれる方もいらっしゃいます。
お痛みのピークは2、3日といわれています。
内服薬でコントロールできる範囲です。
傷跡が残ってしまうのではないかと心配される方も
いらっしゃいますが、馴染んでいくと
乳輪の凹凸やシワに隠れて目立たなくなっていきます。
〈生活制限〉
術後3日後にガーゼ交換を行い、2週間経過しましたら抜糸を行います。
シャワーは下半身のみでしたら当日から可能となります。
腫れを長引かせる原因にもなってしまいますので
運動や飲酒は極力お控え頂いた方が良いです。
入浴に関しては抜糸後から可能となります。
また、普段うつ伏せで寝ている場合は術後3週間控えて頂きます。
〈陥没乳頭手術後の再発について〉
長年、乳頭が陥没していて引っ張り出す治療になりますので
少なからず後戻りのリスクがございます。
軽度の方は元に戻ることは少ないですが、
重度の方に関してはその傾向が強いと言われております。
様々な方法で戻りにくいよう治療をしていきますが残念ながらゼロではございません。
再発を防ぐ為にご自身で行えることとすると、
乳頭が圧迫されることで再発のリスクが上がってしまいますので
締め付けの強い下着やナイトブラの使用は避け、
カップ付きのキャミソールなどゆったりと付けられるものがおすすめです。
また生活制限のお話の際にもお伝えしていることですが
うつ伏せ寝は圧迫の原因にもなりますので控えて頂きます。
上記の点を注意していたからといって完全に再発を防げる訳ではないですが
少なからず気を付けることで少しでもリスクを下げられるようであれば良いものです。
どこに相談したら良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そんな方々にもこの文章を見て頂き、
ぜひ一度カウンセリングにお越しいただけることを願っております。
当院では形成外科で豊富な経験を積んだドクターが治療を担当いたします。
また女性カウンセラーがドクターには聞きづらいことや
ご不明な点についてもご相談に乗らせて頂きますので
安心してお任せいただければと思います。