「わきが」と「多汗症」は同じようなものと思われがちですが、実はまったく別のものです。
「わきが」は、独特の強い臭いを放つ体質や症状を指します。
一方、「多汗症」は、汗が異常に多く出ててしまうという症状のことを指します。
汗を分泌する汗腺には、「アポクリン汗腺」と「エクリン汗腺」の2種類があります。
わきがの原因となるのは主にアポクリン汗腺ですが、多汗症の原因となるのはエクリン汗腺です。
アポクリン汗腺は主に体のワキの下・陰部・耳の中・乳輪に多く分布していて、汗がベタつくのが特徴です。
この汗が蒸発し、空気と雑菌が原因で臭いが強く発生します。
ワキガ治療は、このアポクリン汗腺の切除になります。
エクリン汗腺から出るのは、主に体温調節や緊張性の汗。
辛いものを食べたときや暑いときにかく汗、手のひらにかく汗、冷や汗などもこれにあたります。
ほぼ無色無臭ですが、ストレスや疲労がたまると汗に疲労物質や老廃物がまざり、ニオイの原因となることもあります。
このように、わきがと多汗症はそれぞれ原因が異なるため、おのずと治療法も異なってきます。
お悩みの原因が「臭い」なのか、大量の「汗」なのか、症状を見極めて治療法を選ぶ必要があります。
・軽度~中度:吸引シェービング法
施術時間 20分程度
脇の下を数㎜切開し、細い特殊な吸引器具(カニューレ)を挿入します。
器具の先で汗腺にダメージを加えながら丁寧にアポクリン汗腺を吸引します。
止血後、溶ける糸で中縫いをし医療用ボンド(ダーマボンド)で保護をします。圧迫固定1日。
臭いの効果の持続性は1年以上※個人差による
・重度:剪除法(全摘出)
施術時間 60分程度
脇のシワに沿って切開します。
皮膚を反転させ、直視下でハサミを使用してアポクリン汗腺を切除します。
圧迫固定1週間。(ガーゼ交換は3日後)抜糸1週間後にご来院していただきます。
臭いの効果の持続性は永久的
ワキガ治療
ワキガ治療
こんな方にオススメ!
- ワキガの方
- パートナーから指摘された
- 制汗剤から解放されたい
ワキガ治療のやり方・方法
手術前日もしくは当日に、ワキの毛を全部剃ってください。当日は、前開きの洋服を着用してご来院ください。
・剪除法
剪除法の手術時間は20分~60分ほどです。まずワキに切開線をペンでマーキングします。
麻酔注射を打ったあと、ワキのシワに沿って約3~4cmほど切開します。
麻酔を打ちますので、手術中に痛みが感じることは一切ありません。
切開した皮膚を裏返し、アポクリン汗腺をハサミで切除します。
切除し終わりましたら、切開箇所を縫合します。
・吸引シェービング法
吸引シェービング法の手術方法は、先端に丸みを帯びた細い器具(カニューレ)を、約1cmほど切開した皮膚から挿入します。
この細い器具で、ワキガの臭いの元であるアポクリン汗腺を吸引していきます。
吸引が終わりましたら、切開箇所を縫合します。
施術時間
剪除法:60分程度
吸引シェービング:20分程度
ダウンタイム
腫れ:1~2週間程度
痛み:2~3日程度
内出血:2週間程度
抜糸:剪除法のみ1週間後
固定:吸引シェービング1日/剪除法1週間
シャワー:腹部から下は当日から可(全身は3日後から可)
入浴・飲酒:1週間後
激しい運動:1カ月後
傷跡:1か月程度は赤みが目立ちますが、徐々に白い線になり最終的には傷跡が馴染みます。
赤みや盛り上がりが長引く恐れがあります。※個人差による
副作用・リスク:赤み、感染、血腫、左右差、色素沈着、肩周りが動かしずらい、傷口が開く、傷跡が残る
ワキガ治療のよくあるご質問
Q.手術中は痛いですか?
A.局所麻酔のチクッっとした感じはあるかと思いますが、手術中は痛みはございません。
心配な方は各種麻酔もご用意しておりますのでご相談ください。
Q.傷跡は目立ちますか?
A.わきの下なので目立ちにくい箇所かと思います。
切開した場合、傷が一か月程度赤みが出ますが3~6か月ほどかけて馴染んでいきます。
わきのシワに沿って切開していきますので目立ちにくいです。
Q.効果はいつから実感できますか?
A.アポクリン線を取り除いた時点で臭いは解消されていきますので術直後から効果を実感していただけるかと思います。
Q.再発することはありますか?
A.一度で完全にアポクリン線が除去できればしませんが、取り残しがあると再発するリスクはございます。